上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top ▲
真山仁『マグマ』読了。外資系企業に勤める女性がとある事情がから、地熱発電事業に参加することになり、その過程で原発や地熱発電をめぐる利権問題が暴かれていくという作品。結果としては、地熱発電事業は大きく前進し、一応の大団円という感じ。

が、最終局面で実は主人公は親会社から特別扱いを受けており、背後の政治的状況がたまたま地熱発電開発を後押ししたと背景が明らかになる。結果として、エネルギー情勢が国内の政治上に左右されまくっているという暗澹たる情景も同時に描き出されている。

端的な感想としては、日本のエネルギー事情の政治的背景というものをエンタテイメントの形で示している作品として、非常に楽しませてもらった。内容もタイムリーだし。(もちろん、小説ということであえて一方的な視点から論じている部分もあるかもしれないが)

最後にいくつか、印象に残ったフレーズを→“では翻ってこの国はどうか。大枚をドブに捨ててでも、子孫のため、地球のために便利さに背を向ける選択をする勇気を持つ人間がどれくらいいるのか。”(真山 2008:165)まあ、ベタな感じですが。なんか実感わく。

“条文に具体性がないために、政治的な思惑ひとつで基準がいかようにでも変化する。それが、日本の法律の“常識”だった(ibid 2008:182)。→まさに表現規制の問題とも関連する。

それにしても、産業小説は世間知らず気味の自分には、ちとヘビーである。あ、最後にこの小説では文学がちょっとディスられてました。毒にも薬にもならんとか言われていた。
2011.08.15 Mon l 感想-読書 l COM(0) TB(0) l top ▲
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。